Composer, Arranger, Orchestra Conductor
Koichi Fujino
作・編曲・指揮 藤野浩一
Illustrations by Mayumi Shibuya
これから開催されますオーケストラコンサートのお知らせ
2023年4月29日(土)17:00 EnerGia2023 広響 POPS CONCERT 広島国際会議場フェニックスホール ゲスト:水樹奈々、つづらのあつし
2023年7月1日(土)16:00 新日本フィルハーモニー交響楽団 岩崎宏美&岩崎良美 meets 新日本フィル すみだトリフォニーホール
2023年8月8日(火)14:00 広島交響楽団 0才からの広響ファミリーコンサート JMSアステールプラザ 大ホール
2023年8月19日(土)15:00 中部フィルハーモニー交響楽団 夏休み! ファミリー・ポップス・コンサート 長久手文化の家 ゲスト:岩佐真理子(クラウン)
2023年8月20日(日)15:00 中部フィルハーモニー交響楽団 夏休み! ファミリー・ポップス・コンサート クラギ文化ホール ゲスト:岩佐真理子(クラウン)
2023年8月26日(土)14:00 大阪交響楽団 ライトシンフォニックコンサート 大人の贅沢 ザ・シンフォニーホール ゲスト:布施明、エリック宮城(Trp.)
2023年8月27日(日)15:00 大阪交響楽団 ワンダフルコンサート 京都府中丹文化会館
2023年9月19日(火) 新日本フィルハーモニー交響楽団 MSCベリッシマ オーケストラクルーズ
2023年4月29日 広響POPS CONCERT ゲスト:水樹奈々
いやぁ、嬉しい1本でした。出演して下さった奈々さんはもちろん、全国からお出で下さったファンの皆様に心から感謝いたします。現地でも少しお話ししました様に、昨年7月、神戸で奈々さんのコンサートツアーを見せて頂きました。まだまだ「あれやっちゃダメ、これやっちゃダメ」という制限の中にありながら、会場で皆さんの熱い思いは充分に伝わってきました。かつての奈々さんコンサートの様子を知っている私にとっては、それだけの制約の中にありながらも、一生懸命に形を変えた応援を考えてくれていることに大変感動したのです。むしろ制約が大きいからこそ、心からの声援は何倍にも膨らんでいたことでしょう。帰りのポートライナーの駅でも多くの方が声を掛けてくださり、ずっと奈々さんを好きでいてくれることを、そして応援制限のある不自由な中でも会場に来てくださることを、コンサートに関わったことのある者の一人として、とても嬉しく有り難く感じていたのです。そして帰り道「広響POPS に奈々さんをお招きできないかなぁ」と、ぼんやりとした設計図の様なものを考え始めたのです。
GRACEシリーズをご覧頂いたみなさんは御存知でしょうが、オケ100人超え、コーラス200人等という、その規模の大きさから、私はオケ側のゲストに奈々さんをお呼びすることを大変躊躇していました。「臆していた...」という方が表現としては近かったでしょうか。「奈々さんを呼べば集客に繋がるのではないか?」と目論む、沢山のオケから打診も受けていましたが「やるなら、まず奈々さんのコンサートを見に行って、その規模を理解して下さい。」と言って、その全てを断ってきました。未だに「オケはPAするものではない」とか「リズム隊入れたらオケではない」等という評論家たちの無理解を、「曲目に関係なく」そのままオケ側の論理として振り回すという大きな障壁があるからです。この種のコンサートでは、リズム隊もPAも「楽曲そのものが欲しているという事であり、お客さんの満足度合いが要求している」から入れるのであって、オケ側が決めることでは無いからです。本当はPAやリズム隊に予算掛けたく無いというだけのことを「音楽的観点からだ」として、都合良く使い分けられる事もしばしばだったし、引き受けてお金はもらえたとしても、ファンの皆さんや奈々さんをがっかりさせることは避けたかったのです。ボストン・ポップスはもちろん、よく響く名門カーネギーホールでやっているニューヨーク・ポップスでも、会場でしっかりPAしている姿を見ることが出来ますし、名指揮者の故岩城宏之さんが「ジョン・ウィリアムスなんかはPAした方がカッコ良いよね」と仰っていたことに励まされるのです。繰り返しになりますが、リズム隊もPAも、楽曲そのもの自体が欲求しているものなのです。
そして今回の広響POPSコンサート。17年も続いてきたコンサートで、これまでに多くのトップシンガーが華を添えて下さったお陰もあり、コロナ前まではソールドアウトが続く私にとっても大変嬉しいシリーズでした。広島FMという多くの催しを企画運営している会社のフォローがあったことで、PAや照明にもしっかりしたスタッフが付き、コンサートとしても大変成長してきたと思います。また大変幸運なことに、広響にはソリストとしてフロントに出すことの出来るスタープレーヤーが沢山揃っているのです。これはポップスオケをやる時にバリエーションとして非常に重要な部分ですし、更にはプロデューサー・マインドを持った楽員たちがオーケストラを牽引してくれます。今回は17年掛けて少しずつ整ってきた広響POPSの環境が「臆していた私」を奮い立たせてくれたと言って良いと思います。
また、今回は長年広響POPSを好きでいて下さった広島の方々にチケットの先行発売をしました。その方々への配慮もあったのでしょう、奈々さんファンの人達から広響事務所に、マナーのことやサイリウムのことへのお尋ねがあったそうです。しかもその電話が本当に真摯で丁寧な問い合わせだったと、事務局員が感心していた事をここでお伝え致します。私個人としては、シキタリとかマナー教室のオバハン...というのが大変苦手です。カーネギーへ行くのもGパンとTシャツですし、ドレスコードのあるレストラン(店が客を選別するという)にも絶対行きません。それより堤防で釣ったばかりのイワシを指で開いて食べたほうが美味しいから。話逸れました...。
広島のお客さんへの優しい配慮から、応援を自粛して下さったファンの人達も多かったことでしょう。でも、私としてはファンの皆さんのサイリウム芸を、ぜひ広島の方々に見て頂きたかった!!。音に合わせたプロジェクション・マッピングもポピュラーになってきたでしょう?。しかもそれを人力でやるという奈々さんのファンたち、あれはもう光のアートと言って良いと思うのですよ。あれだけシンクロしたマスゲームはピョンヤンでしか見られません。ニューヨークの1年遅れですが、もうすぐ科学的根拠の希薄な規制も解かれ自由になりますね。良かった、良かった。
そしてもう一つ、このシリーズをずっと担当している広響スタッフのNさん。この京都人はスゴイ!!。とても穏やかな男なのですが、ゲストに出演の打診を断られても断られても食い下がり交渉を続ける。出演交渉の為には演歌のコンサートも見に行くし、何と3年掛けて口説き落としたゲストもいました。そんな三顧之礼をしておきながら、その後にギャラの交渉が待っているのです。現代人はみんな交渉事不得意ですよね。それを厭わない彼の交渉能力や粘り強さには頭が下がる。きっとこれまでのゲストの皆さんも「えっ、このギャラで!?」と思った筈です...ハハハ。私のギャラも「ずっとこのままなんだろうなぁ...」と思いつつ、「来年の話なんですが...」という彼の笑顔に「やります、やります 、ハイッ!!」と答えてしまうのでした。どの世界でも使われる側は弱いよねぇ。さあ仕事、仕事!!。
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